アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き


 お茶を濁したように、結婚式の日取りを約束してくれなかった彼。

 ちょっと強引だけど、私の両親に会ってくれたら心を決めてくれると信じてた。



 でも、不倫してたとは……



 私がこんな状態だと知って、彼は決断したようね。

 二度と私に会いに来ないとまで宣言してるのだから……



 それにしても、二股の相手を病室に連れてくるなんていい度胸よね。

 意識が無いと事前に聞いてたんだろうけど、酷すぎる。

 私の前でベタベタと抱きついて、なんなのよ……


 一通り、言うことは伝えた、と満足そうな彼。

 椅子から立ち上がり、キラキラOLと腕を組んで背中を見せる。



 幽体離脱してる私は、その様子を見つめることしかできなかった……



 二人は視線を合わせて幸せそうな笑顔を見せると、仲良く歩き出す。

 そして、病室の扉へと向かって行った。



「ちょっと、まってよっ!」




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