素敵な天使のいる夜にー4th storyー
それから、あっという間に今日の履修が終わった。
帰る準備をしていると…
「大丈夫!?」
隣で立った拍子にふらついた沙奈ちゃんを咄嗟に支えていた。
「ごめんなさい…!」
「沙奈ちゃん…。無理してない?」
今日1日、沙奈ちゃんはずっと顔色が悪かった。
元々の色白さ加えて、心疾患か呼吸器疾患を抱えているような顔色の悪さが滲んでいた。
きっと体はあまり強くない…
むしろ、病弱なのだろうと感じ取っていた。
「沙奈ちゃん。今日、出会ったばかりだけど何かあったらいつでも頼ってよ。
同じグループになれたのも、何かの縁だから。
それに…俺、沙奈ちゃんが無理している姿見てられないかも…」
彼女の使っている教科書や、実習で使うはずだったであろう綺麗にまとまったノートを見ていると、彼女のこの実習にかける思いが痛いほどに伝わる。
本気だからこそ、沙奈ちゃんはたとえペーパーペイシェントだったとしても、その人に寄り添うことができているんだと思う。
「…本当に大丈夫だから…。
ありがとう、絢翔君。」
沙奈ちゃんはそう言うと、俺から離れゆっくりと帰る準備を始めた。
「沙奈ちゃん。今日は一緒に…」
「沙奈…」
聞き慣れた低く落ち着いた声。
「大翔先生…」
「えっ…?大翔!?」
「沙奈、迎えに来た。
絢翔。久しぶりだな。」
「えっ…?どういうこと…?」
完全に戸惑っている沙奈ちゃんの手を握り、これ以上俺が沙奈ちゃんに近づけないように大翔は沙奈ちゃんを自分の元へ抱き寄せていた。

