金の草鞋を履いてでも…
似た者同士
初夏の風を受けながら、メインストリートを二人で歩き始めた。

「私ね…どうやら人との関係をうまく築けないみたいなの」

まさか、森川にこんな打ち明け話をする日が来るとは思わなかった。

他の誰にも言ったことがないのに。

「え?読書会でも、周りからよく思われてる感じなのに」

「表向きにはね。でも、誰とも深くは関われない…」

少し間をおいてから、

「じゃあ、僕と同じですね」

そんな森川の言葉に、私は疑問を感じ、

「どうして?森川、部活の女子から凄く可愛がられてたじゃない」

「あの頃…早月先輩以外からは、そうだったかもしれませんね」

そう言って笑う森川。
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