幼馴染が××すぎる。
幼馴染がアホすぎる。




「なぁ」


3人掛けソファの端と、端。

キヤは片膝を立てて頬杖をつきながら、少ししゃがれた声をぶっきらぼうに投げる。


「なんで女って恋敵をいじめんの?いじめたところで好きな男が振り向くわけじゃねぇじゃん。」


たまたまやっていた恋愛ドラマを真剣に見ていたキヤが、珍しく的を得たことを言った。


「…八つ当たりだよ。好きな人が自分を見てくれないから。」

「ほー…八つ当たり…」


どうやら納得したらしいキヤは、顎に手を添えて考える人のポーズをする。

キヤが女心を勉強している、と思うとなんだか笑える。



今日は日曜日で、私もキヤも、部活がない。

お昼ごはんを食べ終えてとくにやることもなくソファでダラダラと過ごしている。



………平和だ。



いつもの定位置に座るキヤを横目で盗み見て、そんなことを思う。


同居生活が終わるまで、残り後2日となった。

私とキヤの関係性は相変わらず、なんのやましいこともないただの幼馴染だ。
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