プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
第2章 クライアント
 翌日の午後2時すぎ、昨夜、亘が話していたクライアントが来所した。
 廊下から話し声が聞こえてくる。

「わざわざご足労を願って申し訳ありません。この後、どうしても外せない用事がありまして」
「いえ、そんな。東京に出張なんてめったにない職場なんで、かえって嬉しかったぐらいで」

 ふたりは応接室に入っていった。
 事務の人にお茶の準備をお願いして、わたしも続いて応接室に向かう。

 近県の地方都市の市役所の人だと聞いてたから、年配だろうと勝手にイメージしていた。

 だが予想に反して、やってきたのは20代前半とおぼしき若い男性だった。

 来社予定だった課長の身内に不幸があったとかで、急遽、代理を仰せつかったらしい。

 自分のような若輩者が代理で申し訳ない、としきりに恐縮している。
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