ずっと前から、やっぱり好きだった。
Prolog〜いつかの夢〜
 濁ってる色のはずなのに、どうしてこんなに…透き通ってるんだろう。

目の前に広がっている灰色の世界はあたたかくて、キラキラ輝いて、真っ白になって溶けて消えちゃいそう。

彼は、どんな顔をしているんだろう。優しく上がった口角より上は、わからなかった。

    ー灰色のパーカーを着た彼に、抱きしめられてる私ー


こんな夢、いつ見たんだろう、小5くらいかな。そもそも夢?私の妄想?忘れちゃった。でも、これだけは、わかってる。何があっても。絶対。この人が運命の人なんだって。いつの間にか確信してた。だけど、灰色のパーカーの男子なんて、どこにでもいるし、その中から運命の人なんて見つけられるのかな。
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