フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
第五章「優しいヤンキー」
♢♢♢

こういう時、どうするべきか。

ネットの掲示板に相談する?
「クラスのイケメンに彼氏候補にしてって言われて困ってます」って投稿するの?嫌味か作り話だと思われて炎上しそうで無理。

じゃあ華に言う?
ノリノリで付き合えって言うに決まってる。

お父さん?
どういう展開になるか予想つかないからヤダ。

その時、頭にある人物が浮かんでくる。そうだ、あの人ならきっといいアドバイスをくれるはずだ。

そう思った私は、早速電話をかけたのだった。



小洒落たカフェでアイスフラペチーノを片手に、陽子さんがニコニコと私を見つめる。

「ごめんなさい、こんな相談」

「ううん、嬉しい。頼ってもらえて」

陽子さんは、七月末には颯君と共にウチに越してくる予定だ。まだお父さんと籍は入れてないから厳密には家族じゃないけど、陽子さんならちゃんと聞いてくれると思ったから、私は藤君のことを相談した。

「まだちゃんと告白されたわけでもないのに悩み過ぎかな…でも、男子からあんな風に言われたの初めてで」

あの日、藤君は私を家の近くまで送ってくれて。至って普通、いつもの可愛い笑顔の藤君だったから私も頑張っていつも通りに…

なんてできるはずもなく、思いっきり動揺しまくりだった。

そんな私を見て、藤君はなぜか嬉しそうな顔をしていた。その視線にも耐えられなくて、私はほとんど藤君の目を見られなかったのだ。

「そんな風に言われたら、意識しちゃうのは当然だよ。ちょっとずるい言い方するね、その男の子」

「ずるい?」

「今告白したら、小夏ちゃんに断られるって分かってたのかもしれないね」

断る?私が、あの藤君を?
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