4ever Days




俺たちは5限目、6限目、終礼を終え、

皆が帰る支度をしていた。

剛「拓海、そろそろ行かねぇか?」

『お、悪りぃ悪りぃ、行こうか。』

何故だか分からないが、

俺は胸騒ぎが止まらなかった。

違和感も取れずにただ不安を感じていた。

すると前から、知った声が聞こえてきた。

紘子「お、剛!拓海!」

剛「お、紘子と明美じゃん。
何してんの?」

明美「どっからどう見たって
今から帰るところでしょーが!w」

『あれ?明美演劇部入ってなかったっけ?
今日は部活休みなのか?』

明美「あぁ〜、ちょっと色々あってね!
今日は休むんだ〜!」

生徒2「明美ちゃーん!ちょっと来てー!」

明美「はいはーい!
ちょっと行って来るね!」

スタスタスタスタスタ…

『なぁ、おい紘子、あいつどうしたんだよ?』

剛「ちょっと様子おかしくねぇか?」

剛の言葉に俺は頷いた。

すると紘子が言った。

紘子「いやぁ、それがさぁ〜、
演劇部の後輩に告白されたらしくて…。
気まずくて行けないんだってさ。」

なるほど、納得できる理由だった。

明美は誰から見ても分かるほどの美少女で、

入学したときも可愛いと騒がれていた。

剛「なるほどなぁ、あいつ、1年の時も
そんなことがあったよなぁ。」

剛の言う通りだった。

遡る事2年前、まだ俺たちが入学して

間も無い頃だった。

その頃、明美は案の定、

他学年からも同級生からも可愛いと騒がれ、

毎日毎日嫌というほど声をかけられていた。

そんなときに仲良くなった先輩が居たそうで、

「あの人は良い人だ!信頼できる!」

と自信を持って言っていたのだが、

その1週間も経たないうちに、告白されたのだ。

それから他学年には心を閉ざしていた。

ようやく少し心を開いていたのだが…。

紘子「あの子も、災難だなぁ。」

剛「俺なら幸せにしてやれるけど?」

『は?お前、まじ?w」

紘子「剛あんた、まさか…?」

剛「あー、また今度話すわ、」

明美「ごめんごめーん!
あれ?なんか、空気悪くない!?」

『んな事ねぇよ、バーカw』

明美「はぁ!?こっちは心配して言ったのに!
拓海の方がバカだよバーカバーカ!」

剛「お前ら…喧嘩すんなよw」

『あ、剛、屋上行かねぇの?』

剛「あぁ…うん、やっぱ大丈夫だわ!
また今度話す!」

『?本当に良いのか?』

紘子「なになに、隠し事?私たちに?」

明美「仲間はずれ悲しー!」

剛「男と男の話に入ってくんじゃねぇよw」

紘子「ひっどぉーい!言いすぎ!」

明美「あたしぃ、傷付いちゃった☆」

剛「傷付いてねぇ顔してるじゃねぇかw」

俺はこのとき、悟っていた。

剛が俺に何を伝えようとしていたか。

そしてそれが、俺たちの、

4人組の学校生活までを狂わすことに

なるなんて、思ってもみなかった。



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