NEVER~もう1度、会いたい~
「せっかく会いに来てくれたアイツと喧嘩別れみたいな形になってしまったことを後悔してる。未来に謝りたいんだ、この気持ちを、アイツに伝えてくれないか?」
「それは・・・あんたが直接、未来に伝えるべきだよ。」
「それが出来ねぇから、お前に頼んでるんだろう。今の俺は、アイツの電話番号も知らねぇんだぞ。」
「連絡方法なんて・・・その気になればいくらでもあるんじゃない?」
「本多・・・。」
突き放すように言われ、翔平は驚いたように恵の顔を見た。
「じゃ、そのうちまた来るから。この調子でしっかりやりなさいよ。」
なにか言いたげな翔平を尻目に、恵は立ち上がった。診察が終わったのに気付いて、中川が迎えに入室して来ると
「あなたが中川さん?」
恵が声を掛ける。
「はい。」
「今度本院に転勤なんですって?」
「ええ。」
「えっ、そうなの?全然知らなかった。」
翔平が驚くと
「すみません。正式に辞令いただいたの、さっきなんで。診察終わったら、ご報告しようと思ってたんです。」
中川は申し訳なさそうな表情になる。
「そうなんだ、せっかく仲良くなったのに、寂しくなるなぁ。」
「なに?あんたもう彼女に色目使ってんの?」
「そんなんじゃねぇよ。」
「えっ、そんなんじゃないんですか?ショック・・・。」
「な、菜穂ちゃん・・・。」
思わぬ中川の返しに、翔平は焦っている。
「ま、仕方ないです。翔平さんには素敵な彼女さんいらっしゃるそうですし、私みたいな垢抜けない子じゃ、ゾーン外ですもんね。」
と言ってケラケラ笑った中川は
「私、生まれも育ちも伊東で、地元を離れるのが初めてなんです。それに担当も変わるんで正直不安なんですけど、でも自分の視野を広げるいいチャンスなんで、楽しみでもあります。」
笑顔で続けた。
「そうか。じゃ、最初は大変だろうけど、さいたまもいい所だし、すぐ慣れるよ。な、本多。」
「そうね。休みが一緒の日は、いろいろ案内してあげるよ。」
「本当ですか!向こうに知り合い全然いないんで、すごく助かります。よろしくお願いします!」
そう言って、元気よく頭を下げる中川を、翔平も恵も微笑ましそうに見つめていた。
「それは・・・あんたが直接、未来に伝えるべきだよ。」
「それが出来ねぇから、お前に頼んでるんだろう。今の俺は、アイツの電話番号も知らねぇんだぞ。」
「連絡方法なんて・・・その気になればいくらでもあるんじゃない?」
「本多・・・。」
突き放すように言われ、翔平は驚いたように恵の顔を見た。
「じゃ、そのうちまた来るから。この調子でしっかりやりなさいよ。」
なにか言いたげな翔平を尻目に、恵は立ち上がった。診察が終わったのに気付いて、中川が迎えに入室して来ると
「あなたが中川さん?」
恵が声を掛ける。
「はい。」
「今度本院に転勤なんですって?」
「ええ。」
「えっ、そうなの?全然知らなかった。」
翔平が驚くと
「すみません。正式に辞令いただいたの、さっきなんで。診察終わったら、ご報告しようと思ってたんです。」
中川は申し訳なさそうな表情になる。
「そうなんだ、せっかく仲良くなったのに、寂しくなるなぁ。」
「なに?あんたもう彼女に色目使ってんの?」
「そんなんじゃねぇよ。」
「えっ、そんなんじゃないんですか?ショック・・・。」
「な、菜穂ちゃん・・・。」
思わぬ中川の返しに、翔平は焦っている。
「ま、仕方ないです。翔平さんには素敵な彼女さんいらっしゃるそうですし、私みたいな垢抜けない子じゃ、ゾーン外ですもんね。」
と言ってケラケラ笑った中川は
「私、生まれも育ちも伊東で、地元を離れるのが初めてなんです。それに担当も変わるんで正直不安なんですけど、でも自分の視野を広げるいいチャンスなんで、楽しみでもあります。」
笑顔で続けた。
「そうか。じゃ、最初は大変だろうけど、さいたまもいい所だし、すぐ慣れるよ。な、本多。」
「そうね。休みが一緒の日は、いろいろ案内してあげるよ。」
「本当ですか!向こうに知り合い全然いないんで、すごく助かります。よろしくお願いします!」
そう言って、元気よく頭を下げる中川を、翔平も恵も微笑ましそうに見つめていた。