訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
淳之介さんに対する疑念が消えることはないけれど、家事も育児も待ってはくれず、仕事が終わり買い物をするともう登生のお迎え時間になっていた。

「りこちゃん、きのうはかれーをつくったんだよ」
「そう。美味しかった?」
「うん。おかわりしていっぱいたべた」
「すごいわね」

夕方、保育園のお泊り保育から帰ってきた登生は楽しそうにたくさんお話してくれる。
心配していた夜泣きもなくて、朝までぐっすり眠ってくれたらしい。
何よりも笑顔で帰ってきてくれたことに、私はホッとしていた。

「ねえ、ボスはいつかえってくる?」
「うーん、今日は遅いと思うわ」

お泊り保育の話をしたい登生は淳之介さんの帰りを心待ちにしているけれど、たぶん登生が寝てからの帰宅になると思う。

「なんだー、つまんない」
プッと頬を膨らませる登生。

「仕方ないでしょ、お仕事だから。明日の朝は会えると思うから、その時に話したら」
「はーい」

元々、今日は淳之介さんも早く帰ってくる予定だった。
一緒に登生の好きなお好み役を食べましょうって言っていたのに、夕方になって「急に仕事が入ったから」と連絡があった。
< 120 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop