訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
「とにかくここを出よう。一緒に帰ろうか?それとも部屋をとってう休もうか?」
私の肩に手を回し聞いてくれるけれど、
「私は一人で帰れるから。淳之介さんはパーティーに戻って」
会場の皆さんは淳之介さんを待っているはずだもの。

「璃子」
淳之介さんの呆れ顔。

自分でも、かわいくない女だって思う。
こんな時、素直に甘えられればいいのに。損な性格。

「挨拶だけしてくるから、ロビーで待っていてくれ」
「でも・・・」
「もしいなかったら、登生の前で説教だからな」

うぅーん、それは避けたい。
じゃあなと、頭をクシュッとなでてから淳之介さんは会場へ戻って行った。

1人ロビーに戻り淳之介さんを待つ間、自分が情けなくて悲しくなった。
一番悪いのは意地悪してきた麗華だけれど、予見できず、対処できず、事態を悪化させたのは私自身。
あの場で、空気何て読まずに拒否していれば、騒ぎにはなってもこんな惨めな結果にはならなかった。

「璃子、お待たせ」
現れたパーティー仕様の淳之介さんと、普段着の私。
チラチラ見られる視線を感じながら、ホテルを後にした。
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