訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
高速を1時間ほど走り、その後さらに30分。
辺りは緑深い山道になった。

「この先に湖があって、湖畔にうちの別荘があるんだ」
「へー」

さすが中野コンツェルン、スケールが違う。

「子供の頃によく来たんだが、もう20年くらい来ていなかった」
「そうなの」

きっとここは淳之介さんの思い出の地なのよね。
凄く懐かしそうな顔をしているもの。

「さあ、着いたぞ」

車が止まったのは大きなログハウスの前。
昔テレビアニメで見た山小屋のイメージそのものの立派な建物。
後から聞いた話では、山の大部分が中野家の所有らしく見渡す限りが私有地。
そのせいか手入れの行き届いた芝生の庭がどこまでも広がっている。

「すごいわね」
「まあな、手入れをするのも大変だ」
「でしょうね」
とてもじゃないけれど、個人で管理できるレベルじゃない。
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