不器用なキミ

3-2


「さん付けじゃないんだ。」

「え?」


早助の言葉に敏感な私はやっと言えると思った気持ちが不安を帯びたことに気づく。



「あ、いや年上だからさ。」



年上。急に遠くなる。私はやっと心を込めて言えると思ったのに。気持ちが萎縮する。




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