姪っ子と私
診察室に呼ばれた。
「それじゃ、美玲からね」って誠也さんが言った。
「えぇ〜美玲、あとが良い」
「どうして?美玲が1番最初にしようよ。ほら、お母さんに抱っこしてもらおうね」
「美玲、おいで」って椅子に座って、美玲を膝に座らせた。

「よし、美玲、もしもしするよ〜。はい、いいよ。お口開けて、あ〜ん・・・はい、いいよ。大丈夫だね。それじゃ、左腕にしようか」って誠也さんが美玲の左腕を取って、袖を捲った。
「美玲、すぐ終わるよ〜。3つ数えるよ〜。いち、に、さん、はい、おしまい」
「あっ、うわぁ〜ん」美玲は知春にしがみついて泣いた
「美玲、もう終わったって、頑張ったね〜」
「痛かった。。。ぐすん。。。」
「美玲、頑張ったね〜、よしよし」誠也さんが美玲の頭をなぜて、美玲を抱き上げて、ベッドに座らせた
「美玲、ここに座っててね。次はお母さんだから」

双子の機嫌が良いうちにって、私もさっと診察された後、注射を打たれた。
「知春、チクってするよ〜。。。。はい、おしまい」

「それじゃ、湊からね〜。」って誠也さんは湊をベビーカーから抱き上げた。
抱っこしたまま、聴診器を当てて、口も器用に開けさせて、診察をした。
「知春、湊をこっち向きで抱っこしてて。。。湊、ちょっとだけガマンしようなぁ」って湊に声かけながら注射を打った。
湊は1本目から泣き出した
「湊、もうちょっとだけ頑張ろうなぁ」って2本目、3本目もチクっ、チクって打っていった。
「はい、湊はおしまいね。よく頑張りました〜」
湊を知春が抱っこして泣き止まそうとしているうちに、葵をベビーカーから抱き上げて、診察をした。
「湊、ベビーカーでねんねしててね〜」ってまだぐずってる湊をベビーカーに寝かせた。
知春が葵も抱っこした。
「それじゃ、葵も少し頑張ろうなぁ。ちょっとガマンだよ〜」って誠也さんは葵に声かけながら注射を打っていった。
「おっ、葵は強いなぁ」
葵は2本目まで注射を打たれても、ちょっと「あ〜」とか声出しただけで泣かずにいた。
「もう1つだけね。葵、頑張ってよ〜」って誠也さんが3本目を打ったら、大きな声で泣き出した。
「葵、もう終わったよ〜頑張ったね。もう痛いのないよ〜」って知春が抱っこして宥めてた。
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