クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
素直な感想を伝えれば、凛久さんもそれを口にした。ただそれだけなのに、官能的に見える彼に見惚れる。

「瑠璃、そんなに見ないで」

「あっ」
 昔から私は彼を見てばかりだ。羞恥から慌てて目の前のピザを取り口に入れる。

「凛久さん、ピザもとってもおいしいですよ。食べないんですか?」
 私から視線を外さない彼にそう問いかければ、私の持っていたそれをパクリと咀嚼する。

「うん、うまい」
 そんなに甘やかさないで。アルコールが心地よく広がったこともあり、理性が溶けていく。

「凛久さん」
「ん?」
 食事をしている彼を今度は私が見つめる。そして彼の食べていたキッシュを自分から食べに行く。

「瑠璃?」
 かなり困惑した彼に、私は一世一代の勇気を振り絞る。

「続き、してください……」
 彼と離婚をしたら、二度と誰かに抱かれることなどないと思う。

「どうした? 酔ったんだろ。ほらもっと食べて」
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