クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
ギュッと首に抱き着いて、凛久が仕事に行こうとするのを阻止する波瑠に私はため息交じりで声をかける。

「波瑠、パパお仕事だからね」

「ダメー」
涙目になりながら凛久を離さない波瑠を、私は受け取ろうと凛久に手を伸ばすも、凛久もギュッと波瑠を抱きしめる。

「波瑠、パパお休みしようかな」

「凛久!」
こんなやり取りが毎日繰り広げられている。パパのことが大好きな波瑠に凛久さんは甘々だ。

「波瑠、でも今日は一聖に会えるよ?」
「いっせ?」

波瑠は目を輝かせると、凛久に下ろしてとアピールすると、バイバイと手を振る。

「また一聖に負けるのか」
本気でショックを受けている凛久に、つい笑ってしまう。

一聖というのは、安村夫妻の息子さんで、もうすぐ二歳になる男の子だ。
今日は私も和泉さんも仕事があるため、預かってもらうことになっている。

「今日は商品開発の日だもんな。今日はどっちのばあば?」
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