クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
そんな中、家事をしたり食事を一緒に食べたりすることでようやく同居にも慣れてきたのがここ数日だ。

凛久さんは知り合いの弁護士や会計士も手配してくれ、私の実家のことも進めていてくれるようだ。

そして、カフェ以外にしていた単発のバイトをやめる様に言ってくれた。
そんなこともあり、家政婦を雇うと言った凛久さんを説得して、家事全般は私の仕事として認めてもらった。

初めてこの家に来た時は、冷蔵庫の中は空っぽでピカピカの調理器具だけが揃えられていた。
私の仕事はまず買い物になったのは言うまでもない。
二週間たった今は、すっかりと料理をするキッチンになったと思う。

「おはよう」
ぼんやりと考え事をしていた私だったが、不意に呼ばれた彼の声に我に返る。

「おはようございます」
意外と朝に弱いようで、この時間しかみることができない、凛久さんのぼんやりとした表情をチラっと盗み見る。
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