初恋
清水くんはひとりだった。
話しかけるなら、今しか…ない。
『あの…っ』
廊下に響く声。
『え……
俺?…なに?
てか…ごめん、誰?』
戸惑いを隠せない清水くんの表情。
『あっ!あたし…田口莉央っていうの…
クラス違うから知らないかもだけど…』
『ふぅん。そうなんだ』
にこりと笑う清水くん。
莉央は少しホッとした。
だけど…
『純也…!』
後ろから聞こえてきた、
…女の子の声。
ドクンと心臓が鳴り、
同時に嫌な予感がした。