どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love29 ご実家へ
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それから、1ヶ月後。


キャンプが終わってから、新井君は私の大事な人についての話をしてこなかったので安心していた。

会社でも今まで通りの接し方をしてくれたし、私も普通に後輩として一緒に仕事をしている。

吉岡先輩は、佐竹さんにOKの返事をし、来年の春を目標に結婚に向けての準備を開始している。


私は、というと……

圭史さんのことを狙っていた取引先のお嬢さんが、正式に交際を申し込んできた。

会社にも時々来るようになり、圭史さんは付き合いで彼女とその父親である会社の社長と食事に行くことも多かった。

社内ではもうすぐ結婚するんじゃないか、という噂も流れていた。


やきもちはやいちゃうし、不安にもなるけど、前のことがあるから私はなるべく前向きに考えるようにしていた。


私の前での圭史さんが本当の圭史さんなんだ。

社長としての圭史さんが付き合いで食事に行くことは仕事として。

割り切って考えようと思うけれど、時々限界がきて、吉岡先輩に慰めてもらった。


もう圭史さんも限界だったんだと思う。

最近はお父さんである相談役と、ついに喧嘩をするようになってしまったらしい。



「ごめん、万由。穏便にいきたかったのに、ケンカになった」


しょんぼりする圭史さんに、私はビールを注いだ。


「元気出さなきゃ!まだまだ試練はこれからだよ」


圭史さんは、自分はそのお嬢さんと結婚する気がないということを何度も相談役に言っているのに、それをわかってくれないことにイライラしていた。

実は、食事会やパーティーをセッティングしているのは相談役だった。

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