どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~


「私は、圭史さんが社長であってもなくても愛していますが、社長としての考え方にも惹かれています。社員への心遣いもありますし、上に立つ人なのにちっとも偉そうじゃなくて……私は、そんな圭史さんのそばで生きていきたいと思うようになりました。愛人になる気はありませんので、他の方と結婚するのなら、私は会社を辞めて2度と会うつもりはありません」


こんなに強く言えた自分に驚いた。

私は知らないうちに圭史さんのそばで、少しずつ強くなっていたのかもしれない。


「うらやましいくらいだな。圭史は小さい頃から優しくて、社長になる器ではないと思っていた。今でも認めてはいないが、仕事に情けを持ち込む圭史の仕事ぶりは社員にとっては、いい社長なのかもしれない。それが、会社を大きくする上ではネックになるが、会社の雰囲気としては……私が社長だった頃より良くなっている、と秘書から聞いた」


秘書って、中井さんだ!
中井さん、ありがとう。

私は、しびれる足を少し崩し、また正座をし直す。


「愛人というのも、今の時代には合わない、と秘書から言われた」


またしても中井さん、ナイス!


「親父みたいになりたくない。結婚相手は自分で選びたい。会社の経営については親父にこれからもいろいろ相談することになるけど、結婚だけはもう口を出さないでください」

「ということは、台湾へ行く覚悟ができたということでいいな」


3か月なんてあっという間だ。

これで認めてもらえるなら。





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