記憶の花火〜俺が暴いてやるよ、欲望にまみれた秘密を〜
第6夜 真実と孤独
長い黒髪を揺らし、長い睫毛を固く閉じた来未を腕の中に抱えたまま、花灯は、暫く来未の顔を眺めていた。

「来未……」

そっとその頬に触れれば、温もりを感じる。

ーーーー客を助けたのは初めてだった。

此処に花火を受け取りにきた来未に、初めて会った時、蛍かと思った。髪色こそ違うが、大きな黒い瞳と、小さな鼻に、少しだけぽってりとした唇がよく似ていたから。背丈も同じくらいで、一瞬言葉が出なかったのを思い出す。

「ごめんな……」

来未を処分するタイミングは丁度良かったかもしれない。

来未は、すでに一度、千夏にも殺されかけている。来未には、最期まで話さなかったが、花灯が西川を追って、高瀬のマンションに行った時にはすでに、ススキ花火で二人でも死んでいた。

ーーーー(犯人は、一人しか居ない……)
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