記憶の花火〜俺が暴いてやるよ、欲望にまみれた秘密を〜
「今日でまた一つ終わり」

先日、波多野文香が、不慮の事故で亡くなったのには驚いた。

あの文香に渡していたスマホにはGPS機能をつけていた。電波が追えなくなって、すぐに、電波の消えた総合公園に向かったが、すでに、池に仰向けで浮かぶ文香を見つけた。

飲酒による不慮の事故とのことだが、恐らく文香は自殺なんかじゃない。


ーーーー消された。


散乱した鞄からは、僅かに火薬の匂いがした。

そして、犯人が処分し忘れたのだろうか?不自然に1本だけ、花火が残されていた。愛瑠は、それを持ち帰り、ネット検索をかけて、花火屋の事を知り、メールを送ったのだ。

他人(ひと)の秘密ね……」


誰にも気づかれず、不慮の事故で殺せるなら、そちらの方が都合がいい。それに他人の秘密が見えるなんて最高だ。

しかし、文香のスマホが警察の手に渡ったならば、少しまずい。

自分に辿り着くまでには、時間はかかると思うが、それまでに終わらせておかなければならないコトが、まだ残っているから。

「さぁ、お片付けの時間の始まりね」

古い木製扉の前で足を止めると、愛瑠は、ドアノブに手を掛け、コンコンとノックする。

扉が開いたと同時に、男の掌が、愛瑠の手首を掴むと、部屋の中に引っ張り込まれた。
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