年下セフレはクールな部下

第6話 離婚届

この状況を把握するのに、時間がかかった事は否めない。

「なあ、鈴音。お願いだ。」

あんなに亭主関白だった夫が、私に頭を下げている。

しかも、不倫相手の前で。


「もう止めてよ!」

私は夫の肩を掴んで、上に持ち上げた。

「鈴音。戻って来てくれるのか?」

泣きそうな表情。

夫は、私がいなくなった事で、反省どころか、傷心し切っている。

「ただ、こんな姿。見てられないだけよ。」

「鈴音。」

夫が私の腕を掴む。

「俺が悪かった。ちゃんと毎日、家に帰るから。」

「そういう問題じゃないのよ。」

私は夫の腕を払うと、わざと大和の方に近づいた。


「私今、この人と付き合っているの。」
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