恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 叔父が有名ブランドの紙袋を私に手渡す。
 中を確認すると、服だけでなく、靴も入っていた。
多分叔父が私の服や靴のサイズを知らせたのだろう。昨日電話で聞かれたんだよね。
 この服を買うだけでもすごくお金がかかっていそう。
「わかった。やるだけやってみるけど、失敗したらごめん」
 今まで恋人がいなかったから、なにか粗相をするかもしれない。
「そこは気にするな。あと、歩は俺が預かるから安心しろ」
 ポンと私の肩を叩く叔父の目を見てゆっくりと頷く。
「うん。頼むね」
 紙袋を持ってスタッフルームを出ると、眠っている猫の横で本を読んでいる歩に「ちょっと出かけるから、叔父さんの言うことよく聞いてね」と一言言ってから店を出た。
 電車を乗り継いで赤坂のホテルに向かうが、足取りは重い。できれば逃げ出したかった。
 でも、前金をもらってる以上逃げるわけにはいかない。
 ホテルに着くと、クロークにコートを預け、トイレに行く。
 用意された服に着替え、メガネも外すと、鏡でチェックした。
 
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