恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 美鈴を心から美しいと思えるのは、彼女の心が綺麗だからかもしれない。
 至福のひととき。
 ふたりを楽しませるために旅行に連れて来たはずが、俺が一番楽しんでいるような気がする。
 美鈴の髪を梳いていたら、彼女がパチッと目を開けた。
「おはよう、美鈴」
 彼女に顔を近づけてキスをすると、彼女はハニカミながら挨拶を返した。
「……おはよう。あの……歩は?」
「先に起きて本読んでる」
 穏やかに告げてベッドを出ると、美鈴も慌てて起き上がったので注意した。
「美鈴、浴衣が乱れてる」
 フッと笑みを浮かべて注意すると、彼女が「あっ、やだ!」と声を上げた。
 浴衣をさっと手繰り寄せる彼女にクスッと笑って言った。
「俺としてはずっとそのままでいいんだけど、歩もいるからね」
「ああ~、もうからかわないで!」
 顔を赤くして文句を言う彼女がとても可愛かった。




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