恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「……鈴、美鈴、起きてる? さあ、もう帰ろう」
 彼に声をかけられたが、もう動きたくなかった。
「いや……もうちょっといる」
「もうちょっといたらここで寝るだろう……って、寝ないでくれる? 美鈴」
 一条くんが肩を揺すってきて、咄嗟に彼の手を振り払った。
「寝て……ない」
 そう言い返したものの、もう目が開かない。
「半分寝てる。すみません。お会計お願いします。あと、連れが酔ってしまったようで……」
 彼は呆れ顔で言って、レストランのスタッフと話し出した。
 私のことを話しているようだが、段々意識が遠のいてきてなにを言っているのかわからない。
 お酒……飲みすぎた……かも。
「美鈴」
 遠くで一条くんの声がしたが、全身の力が抜けていて返事もできず、そのまま意識を手放す。
 次に目を開けた時、私は知らないベッドで彼と寝ていた。




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