幼なじみ
それなのに、明後日から、佑典は中学校に来なくなる…。

「離れたくないから桜、咲かないで…か」

以前、佑典が買ってくれた緑茶のラベルに書かれていた、一般人が投稿し入選した俳句をポツリと呟く。

それを初めて見た時は、何も思わなかったけれど、今ならその気持ちが痛いほどわかる。
明日なんて来なければ良い。
そう思うのに、無情にも時は過ぎていく…。


卒業式では、始まった時から泣いていて、隣に座っていたクラスメイトに引かれた。

卒業式が終わると、校庭に在校生が並び、アーチを作り、そこを卒業生と保護者が通るのだが、そこでも喜々良は泣いていた。

卒業生が登場し、保護者とともに、アーチを通る。

喜々良は列の後ろにいたが、佑典は喜々良を見つけると、他の在校生には目もくれず、足早に喜々良の元にやって来た。
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