幼なじみ
「なんだ、こんなところにいたのか。
ごめんな、遅くなって。
電車が」

佑典の顔を見ると、安心したのか、涙が溢れた。

「喜々良⋯?」

心配そうに天悠は、喜々良を見ている。

喜々良から事情を聞くと、佑典は切ない表情を浮かべたが、何も言わず、喜々良を抱きしめた‐。

隣で、複雑そうに天悠はしている。


『…おめでとう』

『ありがとう!』

…あの時、わたしは、ちゃんと笑えていたかな…?

まだ、ココロからの祝福は難しいけど、いつか、健悟と朝来ちゃんにココロからおめでとうを言いたい…!

…もしも、あの時、告白をしていたら、キミの隣にいたのは、あのコではなく、わたしだったのかな…?

あの時、告白をしない事で、未来がこうなってしまうなら、告白する。

その後、告白をした事で、関係が壊れたとしても構わない。

…そう、こうなってしまうくらいなら…。

この時ほど泣いた日を喜々良は知らない。
涙は枯れる事なく、流れ続けた…。
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