アイドルが彼氏になったら

31.彼女の輪郭

ナミとは確かに歳が離れているが
年齢差を感じたことはない

それは彼女の魅力の一つだし、
彼女自身がそう努力しているからなのかもしれない

今日だって家で
マルと3人バーベキューしているが、
マルはすっかり彼女に沼ってる

マルのくだらない話に
コロコロ笑うナミ

ナミが笑うともっと笑ってほしいと思ってしまう



事務所に彼女の説明をした時
どんな女性なのか端的に説明する
にはどうしたらよいか
考えた

色々迷ったが

僕を思いやりある優しい男に変えてくれる人
でありながら

僕の輪郭をはっきりさせてくれて
何者かを気づかせてくれる人

と表現した

もちろん彼女の魅力はそれだけではない

本質は何層にも色が重ってできた深みだ


僕はその層の厚みにどうしようもなく
色気を感じて好きになってしまった


仕事でも私生活でもたくさんの困難を
乗り越えたであろう跡

たくさんの人に囲まれて、尊敬され、慕われ、
愛されている様

そして彼女のもっとも広い範囲を占めている自立心

それらが彼女の深みを形成しており
誰にもない彼女だけの魅力だ

自分にはない色を持つ彼女に、
嫉妬すら覚える



ジュンジュン〜
彼女が呼んでる

もうお腹いっぱいだけど、
アイス食べたいよね?と
ニコニコと同意を求める

宅配しようか?
何がいい?と二人のリクエストを聞く

「私チョコミント!」



残念、アイスだけは相容れない
< 62 / 72 >

この作品をシェア

pagetop