【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。

 ***

「あっ、千紘〜!! こっちこっち!」
「菜央、ごめんね……誘ったのに、遅れちゃって」
 やって来たのは、市の運動場の中にあるサッカー場。今日は……彼の練習試合を見に来た。
「応時くんってポジションどこなの?」
「あ……っ」
 やってしまった……聞くの忘れた。ああ……彼女になったのにもう、ダメダメじゃん。
「もしや……知らないの?」
「は、はい……」
「……亜樹のポジションは、ディフェンダーだよ」
 へ……!? 何、天の声?
「りょ、綾!」
「いつも休みはデートするのに今日は亜樹の試合に桜林さんと見に行くって聞いたから来た」
 そういえば、菜央って部活オフの日はデートだって聞いてた……せっかくの二人の時間を奪っちゃった。
「ごめんね……今日のお昼奢ります」
「え、良いんだよ? 気にしないで……」
「いやいやせっかくの2人の時間だったのに……本当に、ごめ」
 私がネガティブな思考になっている間にはじまりのホイッスルが鳴り、試合が始まった。






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