英雄となった騎士は置き去りの令嬢に愛を乞う
 不本意な噂が流れていたが、それもすぐに消えるだろう。皇女は隣国との平和条約を結ぶ条件として、花嫁となる決意をしている。嫁ぐ前に帝国内を見ておきたい、と皇女の願うようにパレードも開催された。

 少し急いでしまったが、あとは妻となったシャーロットを皇都に与えられた屋敷に連れて帰り、彼女の望む通りの結婚式をしたい。

 シャーロットの髪を撫でていたヴィクターは、その手で背中をさすり、次第に下の方におろして臀部を撫でる。

「んっ、ヴィクター……」
「シャーロット、愛しているよ」

 ようやく捕まえることのできた可愛い妻をヴィクターはこの日、片時も離さなかった。二人は暁が黄昏に変わるまで、部屋にこもりきり別宅には絶えず寝台の軋む音が響いていたという。

(おわり)
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