私を見て、私を愛して
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

ゆか子は高校からの友人の京香と、居酒屋に向かって歩いていた。

信号を待っていると、行き交う車のエンジン音に混じって、少し先にある交差点の巨大ビジョンから音楽が聞こえてくる。

居酒屋は駅からそう遠くない場所にあり、半個室なのにリーズナブルで人気が高い。

居酒屋のドアを開けると、熱気が流れてきた。

中に入ると、ムワッとした空気が肌にまとわりついてきて、5月とはいえ少し暑い。

居酒屋は平日の夜だけあって、仕事終わりのOLやサラリーマンが多い。

話し声に混じって、時折大きな笑い声も聞こえてくる。

席に着き、とりあえずビールを注文した。

店員がお待たせしました〜、と大きな声を出し、ドンっと音を立てて、ビールをテーブルの上に置いた。

「「かんぱーい!」」

カンっと心地よい音を立てて、グラスがあたる。

ゴクゴクっと喉を鳴らしてビールを飲む。

仕事の疲れが流れていくような気がした。

友人の京香は意志の強そうな目が特徴的な美人で、その飲みっぷりは見惚れるほどかっこいい。


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