私を見て、私を愛して
リビングを出て、寝室に向かう。

「ともくん、一緒にねんねしようね。」

ゆか子は声をかけながら友也と布団に入る。

お腹のあたりを優しくポンポンと規則正しくたたき、友也を眠りに誘う。

「ままぁ〜、」

友也がゆか子を呼ぶ。

「どうした?」

「また……おひめさま…して…ね……」

それだけ言うと友也は目を閉じ、動かなくなった。

友也の寝顔をじっと見つめる。

友也はゆか子のことをたくさん褒めてくれた。

洋樹は褒め言葉は何一つ言わなかったのに、洋樹からもらいたかった言葉は友也がくれた。

(嬉しいような哀しいような……でもやっぱり嬉しかった。我が子が褒めてくれたんだから。)

ゆか子はまぶたが重く感じた。

(……コンタクト外しておいてよかったかも。)

次第に目を開けていることが難しくなり、それに抗わず目を閉じた。
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