私を見て、私を愛して
ゆか子は過去の自分の行動を後悔した。

(どうしてできなかったんだろう。過去の自分!気力でなんとかならなかったのか!)

どうにもならなほど疲れていたのかもしれないが、どうしようもなく過去の自分をなじりたくなった。

いままで過ごしてきた特別な日を思い出した。

お祝いの準備は大変だったが、とても幸せを感じる瞬間だった。

思い出の中のゆか子はよく笑っていた。そのときの洋樹も友也も。

ゆか子はゆっくりと息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。

「……あっ、そうだ!お給料日!!」

ゆか子と洋樹は、友也が生まれる前、毎月のお給料日にいつもより豪華な食事をしていたのだ。

給料日は、毎回同じ食事ではなかった。

ふたりの思い出のイタリアン、友人に教えてもらったカフェ、SNSで人気のカレー屋さん、漁港の近くにある食堂の海鮮丼、ホテルのレストラン……

毎月のこととなれば、予定が合わず外食ができない月も、家で過ごしたいと思う月もあった。
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