私を見て、私を愛して
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

ゆか子が『旦那をガッツリ掴む作戦その1、その2』のことを話し終えると、タイミングよく注文したランチセットが届いた。

おぼんにのって運ばれてきたランチセットが、テーブルにのせられる。

「わぁ、とっても美味しそう!」

今日のランチセットの内容は、大葉と刻み海苔が乗ったたらこパスタにシーザーサラダ、ベーコンの入ったコンソメスープ、ミニチーズケーキだ。

豪華なランチセットだが、お値段はなんとたったの千円。

落ち着く空間なのに、値段が安く味も良い。

このカフェが人気の所以だ。

平日限定のランチセットだが、その美味しさと安さに魅了されているゆか子と京香は、1ヶ月に1回程度利用している。

京香がサラダを食べながら、ゆか子に言った。

「なかなか手強いわね。」

「え?」

ゆか子は目の前にあるランチセットに気を取られ、一瞬なんのことかわからなかった。

「洋樹さんのことよ。」

「あぁ、そうね。家で綺麗にしてたときだって、最後には笑われちゃったし。」

ゆか子はそのときのことを思い出し、気持ちが沈んだ。

その気持ちを振り払うように、パスタを口に入れた。
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