月下の恋人…missing
心外だと頬を膨らます私を¨よしよし¨と撫でた光にぃの小さな手が、そっと差し出される。





『じゃあ…約束しよっか?!』



「…約束?」



『まゆが20才の誕生日にこの桜の木の下で結婚しよう』





私は何度もうなずいて光にぃの小指に自分の小指を絡ませた。





「約束だよ!」



『うん。約束な――』




コツンとオデコをつけてクスクスと微笑む




月光に照らされた




まだ子供だった私達の薄れる事のない幸せな記憶――




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