へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜

4*へっぽこ召喚士、世話係に奮闘する







 翌日、朝日が街を照らし始める早朝に、ミアは与えられた寮の自室から胸を踊らせながら出てきた。

 まだ完璧に覚えきれていない獣舎までの道のりを、見回りをしている騎士達に挨拶を交わしつつ聞いて、何とか獣舎までたどり着く。

 空気の入れ替えをするべく、獣舎に入って一番に丸窓を開けて、檻の中にいる魔獣達一匹ずつに挨拶を投げかけると、ゆっくりと起き始めた。

 日当たりのいい獣舎は、外に出なくとも太陽の光が自然と入ってきて、魔獣達もどこか気持ちよさそうに太陽を浴びている。



「朝ごはんの準備してくるね!」



 昨日シュネルに教えられた通り、獣舎奥の調理室でそれぞれの魔獣が好む食材を混ぜ合わた食事を作る。

 基本的には雑食な魔獣ではあるが、栄養管理をしっかりとしないと病に倒れてしまう可能性があるからだ。

 バランスが取れた食事は魔獣達の健康維持に繋がり、ミアの大好きなもふもふにも磨きが掛かる。魔獣達の世話の中でも一番を争う大事な作業に、ミアは丁寧に且つ素早く作業をこなした。

 食事の準備が整いそれぞれの檻に餌を与えている間に、寝床の藁を入れ替える。トイレの掃除をして、綺麗になった頃には餌を食べ終わっていた。

 ここの魔獣達は賢い事に、食べ終わった餌の入っていた皿をきちんとミアが取りやすいように配置してくれ、思った以上に仕事はスムーズに進んでいく。







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