エレベーターから始まる恋
そうしているうちにエレベーターは3階に到着し、半分ほど人が降りていく。
もちろんその中には彼、グンジさんの姿も。

"今日も一日頑張りましょう"

心の中でそう呟き、小さくガッツポーズをした。


出勤してみると、石岡さん初めて何人かの営業の男性が忙しなく動き回っている。
まぁ忙しないのは毎日のことだが。

そんな光景を横目に席に着くと、不運なことに石岡さんとばっちり目があってしまった。

「坂本!朝イチで業務ミーティング始まるからお前は議事録の準備しとけ!議事録しかできないんだからな!」

「…は、はい」

最後の一言余計だっつーの!!

社員には鬼のように接し、当たり前のように暴言を吐いてくる石岡さんだが、私の議事録を始め文章力は評価してくれているみたい。
取引先に出す提案書を営業さんに頼まれることもあるのだが、"見やすい"と褒めてもらうことも多い。
元々文章を書くことやまとめることは得意な方で、大学でもレポート作業は割と好きだった。

だがしかし!やっぱり石岡さんの最後の"議事録しかできない"は余計だ!!

はぁと深く息を吐き、会議室を開けてミーティングと議事録の準備に取り掛かった。

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