エレベーターから始まる恋

夕飯も食べ終え、シャワーも浴びた私はベッドにうつ伏せになりながら郡司さんの名刺を両手で持ち、じっと眺めている。

「これを…どうしようか…」

連絡をするにしても、いきなり電話はハードルが高すぎる。
まともに会話したことないから沈黙確定。

悩みに悩んだ末、メッセージアプリを開き、そこに書かれたIDを打ち込む。

"郡司 恭平"とフルネームが表示されただけで、胸がドクンと波打った。

躊躇いながらも追加ボタンを押し、メッセージを打ち込む。

"お疲れ様です。今日2度目の名刺を頂きました、坂本 雅です。"

送信…と。

ピロンッ

返事はすぐに届いた。

"お疲れ様です。連絡ありがとう。さっそくで申し訳ないですが、今度よかったら食事でもどうですか?"

食事か〜…食事…

「しょ、食事!!??」

目を擦り何度も読み返すが、どうやら食事に誘われているようだ。
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