貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
朝木家も、川村家と同じように、仲違いをしたことを後悔していたのだ。そして、いつか旭河に貢献できるように、とコツコツと株を買い集めていた。こんな大企業に成長する前から。そして、家族に分散されていたそれを、お父さんはある時全部、私の名義にしてしまった。私は言われるがままに名義変更の書類にサインし、そしていつのまにか、私は個人株主の上位に躍り出てしまったのだ。
「持参金代わりに、と思ってだな……」
「持参金?」
「そうだ。川村の坊が、与織子を嫁に欲しいって言うからだなぁ……」
ちょっと待って。それはいったいいつの話なの?
後ろを振り返ると、創ちゃんは決まりが悪そうに視線を逸らした。
「それって……いつなの?」
またお父さんに向き直ると、私は尋ねる。
「うーんと、あれだ。与織子が16になる前だ。さすがに16で嫁にはやれないって言ったら、大学卒業まで待つって」
私はもう、溜め息しか出なかった。創ちゃんは私の隣に来ると、「いや、その。ちょっと説明させてくれ」と焦り気味で私に声を掛けてきた。
「あとでじっくり聞きます!」
私がニッコリ笑って言うと、創ちゃんはたじろぎながら「はい……」と返事をしていた。
「持参金代わりに、と思ってだな……」
「持参金?」
「そうだ。川村の坊が、与織子を嫁に欲しいって言うからだなぁ……」
ちょっと待って。それはいったいいつの話なの?
後ろを振り返ると、創ちゃんは決まりが悪そうに視線を逸らした。
「それって……いつなの?」
またお父さんに向き直ると、私は尋ねる。
「うーんと、あれだ。与織子が16になる前だ。さすがに16で嫁にはやれないって言ったら、大学卒業まで待つって」
私はもう、溜め息しか出なかった。創ちゃんは私の隣に来ると、「いや、その。ちょっと説明させてくれ」と焦り気味で私に声を掛けてきた。
「あとでじっくり聞きます!」
私がニッコリ笑って言うと、創ちゃんはたじろぎながら「はい……」と返事をしていた。