室長はなにをする人ぞ
「あと、粘り強さ。調べものは根気がいる」
口にしながら、五嶋さんがシラスの和風パスタをフォークに巻きつける。

「頑張ります」
そう答えるしかない。

「例えるなら、職種はかなり異なるけど、警察の鑑識官みたいな立場かな。証拠をもとに推論を立て、謎を解いてゆく」

ますます自信がなくなってきた。

関係ないけれど、喋りながら優雅に食事を口に運ぶ彼に、ひそかに目をひかれている。
仕事はまだ始まったばかりだけど、五嶋巧という人物の存在が自分の中でどんどん大きくなっているのを認めざるをえない。
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