島津くんしっかりしてください
テーブルへと向かうと、そこには見知った顔が並んでいた。









「あれ、誠ちゃんだぁ!」




「本当だね、こんにちは!」




「鞠亜さんと……木下さん?」







ぱぁあっと瞳を輝かせる鞠亜さんの横でおっとりと微笑むオーナー。








一瞬脳が混乱したけど、途中であ、と思い立つ。









「苗字……木下……」



「そうだよ、娘の鞠亜がいつもお世話になってるらしいね」



「い、いえ。こちらこそ鞠亜さんにはお世話になってます」









娘……。




全然気が付かなかった。






でも、確かに……言われてみれば、似ているような気がする。






思わぬつながりだ。








納得して、それから我に返った。











「あ、ぇと……おかえりなさいませ。ご主人様、お嬢様。ご注文はいかがなさいますか?」




「はぅう……誠ちゃんがいつにもましてかわいい……かわいいよぉ……」




「こら鞠亜。誠ちゃんが困っているだろう」




「いえ、(いつものことなので)大丈夫です」










にこりと笑いかけると、鞠亜さんはいつも通りはぅっと心臓に手を当てた。









「うぅ……誠ちゃん、あとで写真撮らせてね? 私ホットココアで……」




「僕は……そうだな、コーヒーをいただこうかな」




「ホットココアとコーヒーですね。コーヒーはホットでよろしかったでしょうか?」





「うん、頼むよ」




「かしこまりました」







ぺこりと一礼して、厨房にオーダーを通す。






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