島津くんしっかりしてください
あの日から時間はゆっくりと、でも着実と過ぎていき。






家政婦として働き始めてから、1か月が立とうとしていた。






私は毎晩島津くんの部屋に向かって、相談を受けるようになった。






最初は私達にどこか遠慮したような態度だった島津くんも慣れてきたようで、私を前にしても気が抜けるようになったみたいだ。











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「えぇ~なにそれ? いつの間にかめちゃくちゃ仲良くなってますやん?」






昼休み、お箸を咥えた加奈子が不服そうな声を漏らす。






ちなみに加奈子には、家政婦として仕事が決まった時にすべてを話しておいた。






島津くんが人見知りだということを覗いて。






どうせいつかバレるだろうし。






今まで加奈子に隠し事をできた試しがないから。






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