クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……友達、なりたい……僕も」

「……!やったぁ……!これから、よろしくね!」


ぎゅっと手を握られた瞬間、胸がドキッと音を鳴らした。


なんだろう、この気持ち……。


花宮さんは、いつも話しかけてくれるのに……少しは慣れたはずなのに、初めての感情だ。


「じゃあ、私遥希くんって呼んでもいいかな?」

「……!うん、もちろん……」

「だから、遥希くんも私のこと美都って呼んで欲しい」

「美都、ちゃん……わかった……!これからよろしく、美都ちゃん」

「……!うん、よろしく!」


こんな僕に、今まででなによりも大切な……友達、ができた瞬間だった。


だけど、美都ちゃんと名前呼びになってからというもの……それを境に、友情とはほど遠い感情が湧き出てきている気がした。


その感情は、胸がいっぱいになる。


幸せな気持ちでいっぱいで……でも、とても苦しい。


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