クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
……出るか。


電話に出ると……。


【もしもし美都ちゃん?】


苛立たしい声が聞こえてきた。


「金輪際美都に関わるな」

【……その声は、久宝奏……】


呼び捨てにするとは随分と生意気だな。


【美都ちゃんはどこだ】

「そんなのお前に関係ない」

【お前ら……喧嘩してるんじゃなかったのかよ!】

「ついさっき本当に付き合ったが」

【……は?……】


絶望したような声。


ふっ……滑稽だな。いい気味だ。


【美波は……どうしたんだよ】

「あんなヤツ知らないな」

【っ……本当に、美都ちゃんがお前のこと好きだと思ってんのか?】

「ああ」


夢のようなことだが、愛しい美都が言ったのだから信じる以外何もない。


【美都ちゃんに今すぐ代われ!!】

「生憎今美都は寝ているからな。誰かが外に連れ回したせいで」


【っ……おい久宝。俺はお前に宣戦布告する!!】

「勝手にしろ」


美都が……俺から離れるなんて、ありえない。


あってはならない。この国の将来に関わるようなことでもあるんだぞ?


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