クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
あざ笑うように奏くんにそう言った皐月さん。


「誰が許可を出した」


奏くんがとても低い声を出す。


「お優しい美都様に誓って」

「えええっ……!?」

「クビだ」


本当、この二人相性悪すぎるよ……!


「二人ともやめてください!」

「全く、お嬢様の言う通りですよ」


運転手さんもいい加減呆れたのか、そう味方をしてくれた。


「千秋が悪い」

「いいえ奏が」


私の方に『俺は悪くない』と言わんばかりに視線を送ってくる二人。


はぁ……なんだか子供っぽく見える。

奏くん、可愛いっ……。


ってそうじゃない!


「もう私は知りません!」


そう言ってそっぽを向いた。

私が何か言ったらまた喧嘩が大きくなってしまいそうだし。


「美都……ごめん、千秋が悪かった」


私のことをひょいと持ち上げて、自分の膝の上に乗せた奏くん。


「か、奏くん……!?」


ん……?っていうか、皐月さんが悪いって……。


「俺は何にも悪くないけど、千秋がごめん」

「ななっ……!そんなに可愛く言ったってだめなんだからね……!」



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