クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「いや、なにかあるだろ」


じっとこっちを見つめる奏くん。

お、お顔が綺麗すぎるっ……!

整いすぎてて、理想の王子様としか言えないぐらい、本当にカッコいい。


「どうした?」

「え、えっと……」


奏くんのことが好きだから、なんて言えないし……。

なんて言えばいいかな……。


「あ、す、好きな小説が売り切れてて……」

「なんて言う小説だ?」

「へっ!?」


え、えっと……ご、誤魔化すためだったんだけど……。

真剣にそう聞いてきてくれた。


「ほら、嘘ついてる」

「ひぁっ……!?」

「……っ」


急に耳をつままれてしまう。

びっくりした……。


「左耳ピクピクしてる。美都は嘘ついた時耳が動くからな」

「そ、そんなっ……」


そうだったんだ……我ながら初めて知った。


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