私の彼氏はクラスで一番、


「もう、その言葉で十分なくらい嬉しいけど」

「う、うん」

「だからといって、鈴原と山本が楽しそーに並んで歩いてるのは気に喰わないから」

「はい……」


釘を刺された気持ちになって、しゅんと肩を落としながら頷く。


阿久津くんは心持ち体を離すと、仕方ないなあというように目を細めて。


「ま、あと数日の我慢だもんな」


そう、唇の端っこを柔らかく緩めたのだった。



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