ほどけるいと。
うだうだしてたら,見てるだけじゃ。

きっと優しい上に格好いい流雨くんなんて,すぐ他の子に見つけられちゃう。

選ぶのは私じゃなくて,流雨くんだから。

そりゃ,焦りもするよ。

女の子なんて皆可愛いんだから。



「ほんとに,意外なくらい純情だよね,琴音は」

「うん…分かってる。私…流雨くんの彼女になりたい」

「お,言った。うん,がんばれ」

「頑張る~」



へにゃへにゃと体から力が抜けていって,由芽はまた笑った。

最初に話すなら,由芽だと思ったの。



「でも…怖い~。最近やっと仲良くなれた気がするのに……それにすごく恥ずかしい」

「…勢い失くすの,早すぎでしょ。…まぁいいや。今日の代金は私が持つ。ね,いいでしょ?」

「うっそ! ほんとに? やったー!!」

「もー単純なんだから」



鼓舞の仕方が由芽らしい。

余計なことなんて何も言わなくて。

だから私はそれを,とても嬉しいと思った。
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