ほどけるいと。
探してた…とは言え。

こんなに早く見つかるとは思わなくて,俺は戸惑った。

琴音さんもなぜか,キョロキョロと視線を不自然に動かしている。



「「えっと…」」



気まずい。

そして,なんで琴音さんまで気まずそうなのか,全く分からない。

1度目を伏せた琴音さんは,上目で俺に聞く。



「流雨,くんは?」



その頬が若干赤いような気もして,今度は俺が目を伏せた。



「……」

「流雨くん? 聞かない方が良かった…?」

「琴音さん,今日,ひま?」

「えっ,うん」

「放課後,5分でいいから。俺の話に付き合ってくれない…?」

「うん! いいよ。また勉強でもする?」



琴音さんは,にししと嬉しそうに笑った。

多分,分かってないんだろうな…

意識されてないだけかもしれない。

そう思うと…若干心が折れそうになった。
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